泡が乾いていくような

一時の幸せに身を委ねることが未来の私の首を真綿で絞め上げていくような行為だというのなら、私は私を一思いに殺してしまうかそのまま生きて首をゆるゆると絞められて死ぬか、いずれにせよ死ぬんだったらせめてきれいに死にたい、私は私が一番輝いているときに誰にも迷惑かけることなくひっそりと死にたい。

 

うつくしい人に抱かれながら思うのは、薄汚れた私でもうつくしい人に抱かれている瞬間は自分もうつくしい人間であると錯覚できること、そしてその錯覚は所詮錯覚にすぎず、時がたてばより一層自分が汚れていることが実感できてしまうこと、一時の幸せに身を委ねてもそれは私自身を幸せにすることには繋がらない、幸せな記憶が私をさらに不幸にする。